2009年06月30日

北朝鮮問題、10月までは戦争の恐れなし。

まずは、以前このブログで行った国際社会の動向予想の検証。
以前行った展開予想
1.北朝鮮に話し合いに戻るよう促す安保理決議。
 おそらく、内容は穏やかなもの。このとき、日本へも制裁の自重を促す文言が入る可能性がある。
2.北朝鮮へ制裁する安保理決議。
 中国、ロシアが北朝鮮を見限った場合に限る。可能性小。
3.日本を外した5ヶ国協議の形で再開。日本は単独制裁を続ける。
 可能性はある。北朝鮮が中国、アメリカを使って、日本に金を出すよう要求するかもしれない。
4.米国との2カ国協議。
 可能性は大きいが、核開発の時間稼ぎにしかならない。いつまでアメリカが辛抱するかによる。
5.各関連施設への空爆。→面倒な戦争に。

 このうち、安保理決議(1874)は2、1と3の予想は外れ。安保理決議は全会一致で厳しい内容になっている。現状では4も外れ。7月23日に5カ国協議となる模様。望ましいことに、北朝鮮包囲網が完成しつつある。
 予想は少々悲観的なものであったと結論付けられる。

さて、今回行った表題の予想の根拠に付いて。

・北朝鮮が国内向けに「150日戦闘」との宣伝を行っている。
 経済立て直しのため、ということだが、150日=5ヶ月。うち1ヶ月ほど過ぎているとしても残り4ヶ月、10月まで「150日戦闘」は続く。
 戦争を始めるにはおおむね2ヶ月間の準備期間が必要。経済立て直し後に戦争準備をすると仮定した場合、開戦リスクは12月〜1月。
 この150日戦闘というのが戦争準備のためのものと仮定しても、10月までは北朝鮮国内での準備が整わない、と解釈できる。

・米国は制裁強化に向けた準備を進めている段階であり、開戦は現段階では行われる状況にない。
毎日新聞:米国、北朝鮮制裁徹底 専従チーム、近く中国派遣
 オバマ米政権は、北朝鮮に対する国連制裁決議の徹底履行を目指す専従チームを結成、近く中国などに派遣。

 圧力で北朝鮮を交渉に戻す方針を具現化したもので、チームのトップにゴールドバーグ元駐ボリビア大使が指名された。

 国務省高官によると、チームは国家安全保障会議(NSC)、国務省、国防総省、財務省などのメンバーで構成。
 国連決議は、北朝鮮の核・ミサイル技術の開発に絡む「モノ・カネ」の流れを封じる措置を加盟国に求めており、チームは政権内の情報共有や関係国との協力態勢の構築に取り組み、制裁の実効性を高める。

 制裁の実行を強化した場合、北朝鮮の暴発リスクが高まる。また開戦時に米国は中国まで敵に回したくないと考えている。
 この報道に見られる米国の動きは、制裁の実効性を高めるための準備である。この活動が完了するにはしばらく時間がかかる。
 また、中国を制裁に参加させると同時に、開戦時には少なくとも介入させないようにする措置が必要。このチームはおそらく開戦後の北朝鮮の扱いに付いて、どこまで北朝鮮を処分できるか、中国にとって許容できる範囲を詰める役割も帯びていると思われる。

 この間、北朝鮮がミサイル発射実験を行うと中国の制裁参加が促進される。中距離、短距離ミサイル実験なら影響が乏しい可能性があるが、長距離ミサイル実験を行った場合、中国は制裁に参加することを避けることが出来ない。この分野の進展は、今後の北朝鮮のミサイル発射実験の時期に影響される。

 北朝鮮のミサイル発射実験が前倒しになるほど米国と中国の協議は追い詰められ、協議の進展を促す。しかし、十分な詰めが行われるだけの時間的余裕が無かった場合は問題が大きい。
 とはいえ、経済体制の立て直しが急務である北朝鮮も、現段階では戦争を遂行する能力が乏しい。

韓国もまた、戦争の5歩くらい手前の段階。
韓国国防部は有事時、北朝鮮が核や弾道ミサイルなどの大量破壊兵器を発射する際、その前に打撃できる能力を備えられるよう能力を高める計画を発表

調整案によると北朝鮮が核または弾道ミサイルで韓国を攻撃する兆しが見えれば
▽多目的実用衛星、偵察機、無人偵察機、弾道弾早期警報レーダーなどで監視偵察
▽F−15Kと合同遠距離攻撃弾などで(先に)精密打撃
▽それでも韓国に飛んできた北朝鮮のミサイルは海上迎撃誘導弾と地上パトリオットミサイルで迎撃する。
またミサイルが韓国地域に落ちた場合に備え、個人及び部隊別に防護体系を強化するなど、4段階で対応する。

防護体系には核爆発時に出る強い電磁気波(EMP)に対する対備策も含まれている。

 手順としては、上記対策の着手、有事対応の各国との調整、戦争準備(約2ヶ月)を経た後、北朝鮮からの攻撃準備を確認してから戦争、という段階を踏むはず。

 実のところ北朝鮮対策が最も遅れているのは日本である可能性も高い。日本の政治家や核武装論者など強硬派のなかでEMP対策なんて口にするやつは誰もいない。能天気というか平和ボケというか。

 ついでに言うと「だから敵基地攻撃能力」という輩も単純思考バカ。航空機で北朝鮮まで約40分。ミサイル発射準備を確認してから飛んだところで発射までには間に合わない。北朝鮮が本気で攻撃用の発射台を地上に作ると思っているのだろうか。
 EMPを問題視するなら、EMP防護を先に行うべきで、軍事に頼るのは無知蒙昧にもほどがある。自称現実主義者ほど始末に終えないバカは無い。

 なお、北朝鮮が小型化していない核を搭載できるミサイル発射設備を地下に作るとして、その建設にかかる時間は少なくとも3ヶ月必要。それを考慮しても、事態が危険な方向に大きく動くのは10月以降と推定することができる。
posted by 海風 at 21:23| 危機管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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