2009年04月01日

うーん、北朝鮮はしばらく放置かな。

先日は北朝鮮のミサイル、こっそり撃墜した方がいいって書いたけど、どうも海外情勢が妙な感じ。

1.アメリカの国務長官が独自に撃墜する考えを否定した。
2.中国、ロシアはいつも通り腰引け気味。
3.日本のメディアも「衛星?」とトーンダウン気味。

なんというか、無理して叩かなくてもいいかな的ムードが漂っております。
そもそも、日本のメディアは前回の「衛星」もミサイル扱いしていたので、今回も衛星であるというのは想定の範囲内。

4.北朝鮮が強硬姿勢。
北朝鮮の国営朝鮮中央通信は31日、北朝鮮が打ち上げる「衛星」を日本が迎撃した場合、「再侵略戦争の砲声とみなし、最も威力ある軍事的手段で、(日本の)あらゆる迎撃手段とその牙城を打ち砕くだろう」と警告する論評を発表した。

 しかし、「衛星」の日本領域内落下に備え発令された破壊措置命令には言及しておらず、論評が同命令を念頭に置いたものかどうかは不明。

これも毎度の事なのであまり気にしない。むしろ、破壊措置命令に対して言及しない、という点に北朝鮮の妥協点があるのだろう。
すなわち、「今回の発射は失敗したらともかく、予定通りの軌道を飛んでいたら見逃してくれ。」と。

また、今日のテレビのニュースで、今回の発射の理由として、
「8日以降に行われる人民会議の場で金正日の後継が発表される可能性があり、そのための祝砲としての意味合いがある。」
という観測が報じられた。

一方で、日本に対する強い恫喝的意味合いも持たされている事は否めない。
松浦晋也氏は以下を指摘している

 打ち上げの軌跡は秋田県から岩手県にかけての日本上空を通過している。これは打ち上げの途中、「この段階でエンジンが停止する、爆発するなどのトラブルが発生すると、ロケットないしロケットの破片が日本の領土に落下する」時間帯が存在することを意味する。通常、世界各国の打ち上げでは、このような打ち上げ軌跡を設定することはない。

 国際常識的には、打ち上げの途中でどんなトラブルが発生したとしても、他国の領海・領土にロケットの破片が落下するような打ち上げ軌跡を採用するべきではない。たとえ衛星打ち上げであろうと、可能性は低いものの日本領海・領土に被害が及ぶ危険性が存在する。

 しかも北朝鮮は、この事実に対して一切の説明も、信頼醸成措置もとっていない。

 もしも打ち上げが成功すれば、今回のことが前例となり、北朝鮮が日常的に日本上空を通過する打ち上げを実施するようになる可能性も考え得る。

<中略>
気になる2つの疑問点

 技術的に見ていくと、今回の北朝鮮の行動には、2つの疑問点が存在することに気がつく。

 一つは、「なぜ、秋田県から岩手県にかけて、本州を飛び越える軌跡を採用したか」ということだ。

 1998年のテポドン1号打ち上げでは、津軽海峡上空を通過させた。領土上空通過を避けて、領海上空通過に留めたのだ。これに対して、今回は秋田県から岩手県にかけての本州上空を通過する、より日本政府を強く刺激する軌跡を設定している。

 1998年のテポドン1号の打ち上げは方位角86度だった。つまり真東から4度北にずらした方向へと打ち上げて、津軽海峡上空を通したわけだ。それに対して今回の秋田-岩手上空というコースは方位角ほぼ90度の真東への打ち上げとなる。

 確かに衛星打ち上げのためには、真東への打ち上げが最適となるが、4度程度の角度の相違では、打ち上げ能力に対してさほど大きな影響を及ぼさない。いったいなぜ、今回は真東を狙ってきたのだろうか。

 もうひとつは、追跡船の情報が一向に聞こえてこないことである。今回のロケットがミサイルであるにせよ衛星打ち上げであるにせよ、現在北朝鮮はロケットの技術開発を行っている段階である。そのためには飛行時のデータを可能な限り精密に収集して、今後の開発に役立てねばならない。

 北朝鮮本土から、太平洋上空まで飛んだロケットからの電波を受信することはできない。つまり、北朝鮮が本気で技術開発を行うつもりならば、太平洋に電波受信設備を搭載した追跡船を派遣しなければならない。

 しかし、これまでのところ追跡船が北朝鮮の港から出港したというニュースは聞こえてこない。

 ここからは私の推測になる。

 北朝鮮のロケット開発関係者はかなり追いつめられた状況にあるのではないだろうか。開発を急かされ、成功を要求され、その一方で開発に必要な資金、人員、設備などのリソースは十分ではないのではないか。

 1998年のテポドン1号は衛星の打ち上げに失敗した。北朝鮮は衛星「光明星1号」の打ち上げに成功したと宣伝したが、世界中のどこも衛星からの電波を受信できなかった。光明星1号は第3段のトラブルによって太平洋に落下したと推定された。2006年のテポドン2号は、打ち上げ直後に爆発し、破片となって日本海に落下した。

 トラブルが続いているにも関わらず、北朝鮮はトラブルシューティングを行って同型機の再打ち上げに挑むのではなく、より大型のロケットである、今回の「銀河2号」の開発へと進んでいる。明らかに政治の側が「核弾頭を搭載可能で、長距離の射程を実現するロケット技術」を早急に要求しているためだろう。それに対して技術者達は開発のリソースをロケットの大型化に集中することで応えているのではないだろうか。

 結果として追跡船のような確実な技術開発に必須の要素が後回しになっており、その状況下で少しでも成功確率を上げるために真東への打ち上げが選択されたと考えると、一応の筋道は通っている。

 いずれにせよ、今回のロケット発射の試みは、北朝鮮のロケット技術の水準を知るチャンスでもある。


 となると、一応今回は見送るという方法もありなのかなと。

 今回のミサイル発射は妨害せず、安保理でも協調した制裁を行わない。ただし期限を決めて六カ国協議に引きずり出す。核を完全に放棄させなければ、体制の維持を認めない、という恫喝は行う。
 というシナリオも描ける状態。

5.ここにきて北の核兵器小型化に成功、ノドンは最大350基配備されている、とのリーク情報が出てきている。

 これが悩みの種でして、誰がリークしてるのか不明。出どころはインターナショナル・クライシス・グループというところで、所在地はアメリカ。情報源は米・韓の情報局ということで、そのどちらもこの情報を否定する声明は出していない。

 ということは、米・韓(特にアメリカ)は、実際に北朝鮮で危機が起きたときに、どのような反応が出るのかを調査する目的でこの情報をこのタイミングで出してきたのだろうと推察できる。

 何が悩ましいかというと、こういう観測気球を上げるということは、アメリカ当局も今回の件でどう対処しようか全く考えが及んでいない、他の国の出方待ち、という嘆かわしい状態なのではないかと。

 もう一つ考えられるのは、アメリカがノドンのリスクを喧伝する事で、日本を牽制しているという可能性。
 現在、六カ国協議が進展しない理由として、北朝鮮は日本の拉致問題への固執を挙げている。アメリカの情報工作活動として、拉致問題よりも核問題のほうが重要課題である、と日本国民に知らしめたいのではないか。すなわち、拉致問題の解決を諦めろと。

 だとすると、日本はもう六カ国協議の場から離れ、独自に制裁を行う、という手段も検討すべきだろう。その上で、「自衛」の範囲に、敵国の弾道ミサイルの発射前破壊も含める、とし、装備品を調達する。

東京新聞によると、
ロケットは全長三九・五メートル。三段式で最下部にある一段目は直径二・二メートル、二段目は同一・三五メートル、三段目は不明

ということなので、これは2段目にノドン、1段目はおそらくノドンかスカッドのエンジンを3〜4個束ねたもの(追記:中国の東風-3または4型:CSS-3,4という説もあり。これも液体燃料。[pdf資料])、3段目は不明。おそらくスカッドかSA−2用1段目固体エンジンってところではないかと。

この一段目の積載能力は結構大きいので、原始的な核兵器なら乗せて日本を射程に入れることくらいはできるんじゃないかと思う。


 とりあえず、日本政府の現状の対応は、北朝鮮のロケットの軌道が予定からわずかでも外れたら迎撃、予定通りなら何もせず、今後の防衛計画をより強硬なものに変更、日本海での演習などの示威活動を行う、といったところでしょうか。
 あちらの権力委譲がうまくいかず、混乱させる意味でも今回のミサイルを迎撃したい所ではあるのですが。
posted by 海風 at 22:05| 危機管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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