2009年04月02日

インターナショナル・クライシス・グループ メディアリリース(09’3/31)

概要に付いては前回の記事を参照のこと。
本記事は日本国内メディアがほぼいっせいに報じた、北朝鮮の核兵器小型化、及びノドンミサイルの配備に関するニュースの原文を確認するものである。


North Korea's Missile Launch: The Risks of Overreaction
北朝鮮のミサイル発射:過剰反応の危険性について
Seoul/Brussels, 31 March 2009:A tough response to North Korea's rocket launch would likely result in the demise of the talks to end its nuclear program and could risk a potentially devastating war, damaging to South Korea, Japan and the world economy.

ソウル/ブリュッセル、2009年3月31日:
北朝鮮のロケット打ち上げに対する大袈裟な反応は、非核化の話し合いを決裂させ、壊滅的戦争の潜在的なリスクを高め、韓国、日本の経済にダメージを与える結果を招くでしょう。

North Korea's Missile Launch:The Risks of Overreaction,* the latest report from the International Crisis Group, examines North Korea's provocation and the way it leaves Japan, South Korea and the U.S. few good options.
The prospective launch fits a pattern of North Korean attention-seeking when faced with stresses at home, political changes abroad or failure to get what it wants in negotiations.
北朝鮮のミサイル発射における過剰反応のリスクは、最新の我々(International Crisis Group)の検討において、北朝鮮の挑発に対し、日本、韓国、米国がいくつかの望ましいオプションを取る道があることを示しました。
北朝鮮の発射計画は、国内において問題を抱えている時、または外国の政権交代時、または交渉で欲しがっていたものが得られないときに注目を集めようとする、一つのパターンに適合します。

"Even if the missile launch test is successful, it would only slightly increase security risks, while an overblown response would likely jeopardise the Six-Party Talks to end North Korea's nuclear program", says Gareth Evans, Crisis Group's President."What is needed is a calm, coordinated response from the key actors to raise pressure on Pyongyang to return to the talks rather than a divided reaction that only fulfils the North's desire to widen splits among its eighbours."
「仮にミサイル発射に成功しても、それはほとんど安全保障上のリスクを増大させない。過剰な反応は北朝鮮の核問題に関する六カ国協議を破綻させるだろう。」
と、我々(International Crisis Group)の最高責任者、Gareth Evans は述べています。
「何が必要か。それは北朝鮮の、近隣諸国に対する溝を広げようとする企みに対して、バラバラの対応ではなく、平壌に対し冷静で統一された応答を示す事だ。」

Security Council Resolution 1695 demands that North Korea not launch any missile, but Pyongyang argues - with support from some Security Council members - that this does not extend to a satellite rocket launch permitted under the Outer Space Treaty, and the legal issues are inconclusive.
安全保障理事会決議1695号は、北朝鮮が北朝鮮がいかなるミサイルの発射も行いわない事を求めています。しかし、平壌は、彼らを支持している安保理メンバーに次のように主張しています。これは宇宙条約下における人工衛星の打ち上げまで拡大されるものではなく、法的な問題は無いと。

An overreaction to the test that prompts the North to abandon the Six-Party Talks would strengthen hardliners in Pyongyang. The other five members of the Six-Party Talks should agree to a moderate set of measures that maintains their unity in the face of North Korea’s provocation. They could do this by issuing a joint statement condemning the launch as provocative in the current tense climate, reaffirming Security Council Resolutions 1695 and 1718, and demanding that North Korea return to the Six-Party Talks.
このテストに対する過剰反応は、平壌の強硬派を力づけ、北が六カ国協議から離脱するきっかけになるでしょう。六カ国協議のほかの五カ国は北朝鮮の挑発に対し、統一的な対応を維持し、適切な対応を取ることに同意すべきです。それらは、現在の緊張状態において挑発的のものとして打ち上げを非難し、安全保障理事会決議1695および1718を再確認し、北朝鮮が六カ国協議に戻ることを要求する共同声明を出すことにより、実現できるでしょう。

South Korea, the United States and Japan should agree on an overall package deal in exchange for major steps forward in nuclear and missile disarmament. Such a deal should be presented by a high-level U.S. envoy sent to meet Kim Jong-Il in Pyongyang, and then be endorsed in the six-party process.
韓国、米国、そして日本は、核とミサイルの放棄と引き換えの、広範な一括契約に賛成すべきです。そのような契約は、平壌における米国高官レベルの使節が金正日に会い、六カ国協議で同意できる内容のものが提示されるべきです。

"If the launch does take place, the best outcome for the international community is simply for it to fail, as an earlier test did", says Daniel Pinkston, Crisis Group's North East Asia Deputy Project Director."If the rocket is shot down by either Japan or the U.S., the North Koreans would see this as a sign of Tokyo and Washington's implacable hostility and almost certainly withdraw from the Six-Party Talks."
「もしも打ち上げが行われた場合、国際社会にとって最善の結末はそれが前回の打ち上げ動揺、失敗する事だ。」と我々の北東アジア代表代行のDaniel Pinkstonは述べています。「もしもロケットが日本または米国のどちらかに撃墜されたら、北朝鮮はそれを東京とワシントンの強い敵意の表れと見なし、六カ国協議から離脱するだろう。」


以上、翻訳終わり。
米国に対し、六カ国協議で同意される内容での北朝鮮との二カ国間協議を行うよう促しているのはどういうことだろう?
名目上は北朝鮮に譲歩し、内容的には六カ国で統一した対応を、ということなのだろうけど、名目上も北朝鮮に譲歩すると、彼らはむしろそれを笠に着て要求事項をどんどん増やすだろう。
ICG(International Crisis Group)の認識は甘いと私は思う。韓国の太陽政策下においても、北朝鮮は核開発を継続していたし、どうとでも言いがかりをつけて六カ国協議からは離脱しようとしてる。
いずれにせよ北朝鮮のミサイル及び核兵器の開発は止まらない以上、制裁を強化し、その開発の進展を遅らせるのが最善だと私は考える。
北朝鮮の目標は、核兵器とそれを搭載した弾道ミサイルをもって米国の喉元に刃を突きつけ、米国と同等の立場に立ちたいというものだ。

北朝鮮の政治目標は3段階ある。
一つ目は、現行の政治体制の維持。
二つ目は、米国との対等な関係の確立。
三つ目は、韓国の併合。
現在北朝鮮が目標にしているのはこの二つ目のものである。
強盗外交とでも言うべき北朝鮮に対しては、今後このような挑発行為を行う場合、一つ目の現行の政治体制の維持を保障しない、と恫喝する事が必要である。
実際にそのような言動を行う事は無くとも、現在の北朝鮮の政治体制崩壊後、この五カ国でどのように北朝鮮の国を建て直すのかを検討する事が必要だろう。
政治体制は、韓国が主導。民衆の飢餓対策には、各国の経済的技術的支援体制を構築。問題は一体いくらの費用がかかるのか、というところだが、ODA同様、これを新たな公共事業と見なし、出費する事は可能だろう。
韓国は北朝鮮併合後、再建コストを捻出する為、特権階級の財産を取り上げる特別法を整備する必要がある。

併合のプロセスとしては、制裁を強化し、北朝鮮を物資不足に追い込む。同時に北朝鮮住民へビラを散布するなどして統制を弱め、十分に弱った所で北朝鮮のミサイルを全部破壊する。

問題は、北朝鮮を植民地化した上で韓国と併合したい中国の動向。必ず邪魔をしてくるはず。中国にとっては北朝鮮がアメリカ等を相手に代理戦争でもしてくれるのは、一向に構わないという考えなのだろう。

今回のロケット発射の後、北朝鮮が再度核実験を行ったら、本当の危機です。


次に、北朝鮮が本当に核の小型化に成功したかどうかについて。
まず、北朝鮮の核兵器は、イラン、パキスタンとの関連が指摘されている。
このうち、イランは核実験の経験は無い。
パキスタンは、インドの核保有に対抗する形で6回の核実験を行ったと主張している。この実験成果を北朝鮮も共有していると仮定するとどうか。
参考資料によると、1998年5月28日に少なくとも1回の地震波が観測されている。規模は不明。パキスタンは計5回行ったと主張、1回目が25キロトン、2回目が12キロトンとのこと。
アメリカの情報機関は5〜10キロトンと見なしている。
その後、5月30日に2回目の核実験。情報不明。

アメリカでは2回目の実験後、上空からプルトニウムを検出したとあるので、パキスタンがプルトニウム型原爆の実験に成功したことは確か。
爆縮技術を保有しているといえる。しかし、当時のパキスタンの置かれていた状況を考えると、アメリカ情報機関の言うとおり、5〜10キロトンなどという小型の規模かどうかは微妙である。行っていたかもしれないが、それらはおそらく失敗しているだろう。しかし、12キロトンの規模を実現しているのなら、それ以下の規模の原爆も造れるものと解釈してよいだろう。

一方の北朝鮮だが、実験規模は最大25キロトン、最小で失敗、とされている。

だとすると、北朝鮮がノドンに搭載できる規模の小型化に成功している、というのは、嘘である可能性が高い。

なぜならば、爆縮技術は火薬や雷管の品質管理が非常に重要であり、小型になればなるほどその条件は厳しくなるからである。
パキスタンで成功した実験を、北朝鮮が失敗しているとすると、その製造技術には大きな疑問符がつく。

やはり、ICGへリークされた情報は、アメリカ当局による、日本に対し核問題が拉致問題よりも重要であるとの世論形成を狙った情報工作の一環と見なすべきだろう。日本は、アメリカの扇動に乗せられて拉致問題の解決を先送りすべきではない。
posted by 海風 at 14:51| Comment(0) | 危機管理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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